ー広島市西区にある幼稚園です。己斐みどり幼稚園は小学校へのスムーズな移行を真剣に考えますー
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こんなところです
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こんな考えです
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気になる子
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(C) 2011 koimidorikindergarten |
11月23日は勤労感謝の日でした。
勤労感謝の日については、いつも仕事をしてくれている人に「ありがとうございます。」のお礼の気持ちを伝える日だと子どもたちに言っています。
毎日食べているお米や野菜、お肉は、たくさんの人が一生懸命働いて、みんなのところに届けてくれています。作る人、運んでくれる人、売っている人もいます。
みんな働いて助け合って暮らしています。
子どもたちがそのことを理解するのは、非常に難しい時代になっています。
一昔前、まだ人々の仕事が農業中心だった頃、子どもたちは毎日のように働いて汗を流すお父さん、お母さん、おばあちゃんにおじいちゃんを見ていました。
当然、子どもたも手伝い、仕事の大変さを経験しました。
そこには、放っておいても「感謝」が生まれたはずです。少なくとも、現代よりは生まれやすいでしょう。
食材を例にとっても、米や野菜や肉がどのようなプロセスを経て食卓に並んでいるのか、誰がどのように育て、どのような苦労があるのか、直接の体験から子どもたちは知っていました。
しかし、現代に生きる子どもたちは、そのようなプロセスに全くと言っていいほど関与できません。見ることも聞くこともほとんどできません。
子どもたちが目にするのは、調理された料理の段階のみということも珍しくないでしょう。
同様に、お父さんやお母さんの働く姿を見る機会はほとんどないでしょう。
その中で、現代の子どもたちは、お父さんやお母さんが毎日汗を流し、働いている姿をどれだけ理解できているでしょうか。
そして、毎日3食食べられること、家があること、布団があること、服を着れること、それらの特別でない、当たり前の日々の生活に、どれほどの人が関与しているか、どれだけ想像できるでしょうか。
想像し、理解して初めて「感謝」が生まれます。感謝の気持ちを持つということは、子どもたちの心身の発達に非常に大切です。
感謝の気持ちを持つために大切になるのが「ありがとう」のことばです。
「ありがとう」
この言葉をまずは大人たちが毎日使いたいですね。夫婦や親子でも、ちょっとしたことにでも「ありがとう」「助かったよ」のことばがあると、笑顔になり、気持ちがほっこりとするのではないでしょうか。
「ありがとう」は、子どもたちにとって最大の褒め言葉の一つでもあると思います。
子どもたちの心がその言葉で満たされれば、自分に自信を持ち、自分は役に立っているという自己肯定感が高まります。
結果的には、人にやさしい人間に育ちます。
今の若い日本人は、自己肯定感が低いと言われます。
「自分は大切な人間だ」「自分には生きている価値がある」「自分は必要な人間だ」という気持ちが自己肯定感です。
簡単なお手伝いでも(親にとっては簡単、子どもにとっては大変?)、「ありがとう」「助かったよ」のことばをたくさんかけてあげてください。もちろん、親子だけでなく、夫婦間、その他様々な場面で使ってみてください。
夫婦円満、家庭円満、人間関係円満間違いなしでしょう。
自己肯定感が高い人ほど、幸せな人生を送ることができると思います。
まずは、勤労感謝の日を機会に、毎日働いているお父さん、お母さんに「ありがとう」と言うメッセージを送りあってみてはいかがでしょうか。
そして、お父さん、お母さん。
どんな仕事をしているのか、どんな苦労があるのか、どんなやりがいがあるのか、ぜひ、子どもたちに語ってみてください。
きっと、子どもたちは子どもたちなりにお父さん、お母さんの姿を想像し、理解し、尊敬し、感謝し、自ずと「ありがとう」を言ってくれるのではないでしょうか。
みなさまに、感謝を込めて。
園長 徳永悦子