ー広島市西区にある幼稚園です。己斐みどり幼稚園は小学校へのスムーズな移行を真剣に考えますー
|
こんなところです
|
こんな考えです
|
みなさんと一緒に
|
気になる子
|
(C) 2011 koimidorikindergarten |
先月は、指示待ち人間に育てた私の苦い経験談を披露いたしましたが、保護者の皆様には私と同じ思いをされないようにしてほしくて、今月は続編をお届けします。
さて、突然ですが・・
お子様は、指示をしなくても自分で動けていますでしょうか。
ついつい「○○しなさい」「△△やったの?」などと、指示が多くなっていませんでしょうか?
指示が当たり前になると、「指示がないとやらない子」つまり、「指示待ち人間」になってしまいます。
悪ければ、「自分の意見を言えない子」にまでなる可能性があります。
「そうは言っても、指示をしないとやらないし・・・」
と、おっしゃる保護者の方もいらっしゃるでしょう。その思いはごもっともです。
私自身もそれで失敗しました。
しかし、幼児期のうちに自ら行動できる子にしておかないと、遅くなればなるほど、リスクは大きくなります。
幼児期ならば、こちらが改めて指示をすれば補えるほどの小さなことでしょう。しかし、大人になって指示待ち人間では、悪ければ職を失うこともあるかもしれません。
リスクの小さい今のうちにこそ、取り組むことが大切になります。
たとえば、「あと5分で片付けるって言ってたのに、まだ片付けていない・・」と心で思っても、再び指示を出すのをぐっとこらえてください。
子どもが自発的に動くまで待ってみるのです。
もし、自ら約束を守る行動をとったら、そのことをたくさん褒めてください。
いくら待っても自ら行動しない場合は、放っておけばいいのです。
その代り、その後にあるはずだった「楽しいできごと」は当然子どもの前から消えてしまいます。
たとえば、おやつ。買い物。見たいTV番組等々・・。
仕方ありません。5分のはずが、10分、15分・・・1時間と余計にかかってしまったのですから。
ただし、叱る必要はありません。
「(できなくて)残念だったね。時間が無いから仕方ないよ。今度は約束守ろうね。」とサラッと伝えておしまいです。
「約束通りせず、時間が過ぎるとこんな不都合が起こるんだ」という体験も必要なのです。
もちろん子どもの方もただでは引き下がらないでしょう。
泣いてわめいて抵抗するはずです。公衆の面前だろうが知っている人が見ていようがお構いなしでしょう。
子どもはそういう大人の弱みを本能で察知するものです(笑)。
ですが、そこで負けてはいけません。
泣いてもわめいても、不都合を消してはならないのです。これが子どものためなのです。
よほどの状況でない限り、大人が一度引いた線を大人から譲ってはいけないのです。
叱らないけれど、譲らない線を引く。
これが、子育てに必要な厳しさなのです。
子どもが約束どおりやらないから改めて指示を出し、なし崩しにその後の「楽しいできごと」も通常通りあるとすれば、子どもたちは約束の大切さを学ぶ機会を逃してしまいます。
ここには我慢する力も含まれていますので、我慢できない衝動的な人間になってしまうことも想像に難くありません。
こういったことを幼児期の今から意識しておくことが大切です。
なによりも毎日指示を繰り返し、子どもが毎日その指示がないと行動しない場合、一番大変なのはお母さん自身です。
そうはいっても、今まで指示を受けて動いていた子どもが、最初から自発的に動けるようになるわけもありません。
指示をぐっとこらえる→子どもは何も行動しない→結局予定通り進まなかった
という期間がしばらく続くでしょう。さらには予定通りいかず、子どもの「楽しいできごと」も無くなるわけですから、最初の内の抵抗はかなり大きいものでしょう。
今までなし崩しに与えていればいるほど、その抵抗は大きなものになるはずです。
ですが、だからといって負けてはいけないのです。
約束を守る、指示なしで自ら行動するということが習慣づくまで徹底してみてください。
しばらくは、お母さんもとっても大変です。しかし、こうして手間暇をかけることこそが重要なのだと思います。
大変な期間を乗り越えれば、きっとお母さんが一番楽になっているはずです。
そして、子どもたちも大きく成長しているはずです。
もしうまくいかない場合は、お話を聞かせてください。いつでもお待ちしております。
園長 徳永悦子