9月2回目の平和学習は、絵本の読み聞かせ「伸ちゃんのさんりんしゃ」。 3歳で被爆し、その2日後に亡くなり、大好きだった三輪車と一緒に自宅の庭に埋葬された…、そんな男の子のお話です。
埋葬されてから40年後、伸ちゃんの骨をお墓に移す時、一緒に出てきた三輪車。 今は、原爆資料館に展示されています。
「なんか、デコボコしてるね」「座るところがないんじゃない?」 「タイヤもさ~・・・」 1枚の写真をしっかり観察し、自分たちの知っている三輪車の姿との違いを、口々に つぶやく子ども達。
こちらは、「セオリー・オブ・マインド」=『人の身振りを見て心を推測できる能力』の時間。 平和学習では、人ではなく、「被爆した物」がその対象になります。 「もし三輪車が話すことが出来たら、なんて言っていると思う?」の問いかけに、ちょっと考えた後、たくさんの言葉が出てきました。
スクリーンでは映しきれない絵本の細やかな描写。 原爆投下直前のページの台所の窓にいる伸ちゃんのお母さんの表情や、屋根の上のネコなどを紹介。 読み聞かせてもらって終わり、ではなく自分の手でページをめくるからこそ気付くことが大切です。
年長の教室には、平和学習で読み聞かせる絵本を全てそろえています。 早速、絵本を広げる姿が見られました。 好きな遊びを自由にできる平和な時代の子どもと、戦時下で不自由を強いられていた子どもをつなぐ、そんな時間です。